『竹里館』はもともとお茶の店。お茶好きが高じて始めた喫茶&レストランの規模を広げ、レストランを切り離して大通りに展開したそう。知らずに竹里館本店のほうへ行ったところ、なんとレストランまでタクシーで送ってくれた。竹里館本店もレストランも、ほぼすべての店員が日本語を話せる(カタコト含む)ところからすると、相当、日本人観光客に力を入れているようだった。一生懸命、接客をしてくれた。
頼んだのは、宮廷料理風のコース。といっても、1元=3円で計算して、2300円ぐらい(サービス料含む)。お茶の店なので、料理にふんだんにお茶を使っているところが特徴。コースの中で、特においしかったのが前菜の一つ。オレンジの上に載っている梅みたいなものは、プチトマトを蜜で煮たもの。これを食べて、トマトはやっぱりフルーツだったんだ!と実感。蜜のほの甘さとトマト本来の甘み・うまみが調和して、プーアル茶にめちゃめちゃ合う。レシピがほしいぐらいだ。実は、トマトの後ろに控えている脇役が梅。梅を脇役にするプチトマト。おそるべし。続いてのお気に入りは、エビとウーロン茶葉の炒め物(龍井蝦仁)。シンプルだが、エビのうまみとウーロン茶葉のほろ苦さがくせになる一品。次は料理名は「紅茶玉串」。シイタケは揚げてあってパリパリの衣、そこにほのかに甘い紅茶ダレをつけ、ねぎまふうにしている。シイタケ臭さゼロ。言われなければシイタケとはわからない。そしてもう一つの衝撃が、タラをウーロン茶葉で軽くスモークしたもので、かすかに酸味がある醤油・お茶ダレにつけて食べる。とても上品な一品なんだが、私が心を奪われたのは、この料理と一緒に出てきた飲み物。「桂花烏龍茶醋」という名前で、桂花=キンモクセイ、烏龍茶、醋=酢。つまり、キンモクセイの香りがするウーロン茶と酢でできた甘いドリンク。店員さんいわく「消化と美容に効果がある」のだとか。この店の開発商品なのか、どこからから仕入れているのかわからないが、思わずお土産に買ってしまった(←びん入りなのに)
最後はデザートに、オーナーがブレンドした「私蔵茶」がつく。デザートは、ピーナツ粉をまぶした餡入り団子、もち米を荒くつぶして杏仁風味の餡を入れた団子、豆餡を固めたシトラス風味のお菓子。和菓子好きならきっとはまるはず。
実はこのお店、なぜか新潟県にフランチャイズがある。店の人に紹介されてネットで検索すると出てきた。『茶趣茶楽』というお店。「私蔵茶」は会員限定商品になっていた(会費無料)
紹介した料理は一部。ほかにも、「紅茶で風味付けしたスペアリブ(滇紅子排)」や「松の実とごぼうの炊き込みご飯(牛蒡拌飯)」などもついてきた。すべて少しずつの量なので、”おいしいものをちょっとずつ食べたい”人向け。いつかまた台北に行く機会があれば、きっと立ち寄ると思う。