台南には隠れたナンバー1食材がある。しかもそれは「平日の朝しか食べられない魚」と言うのだ。これは食わないわけにはいかないだろう。その魚の名前は虱目魚(サバヒー)。とにかく足の早い魚で、市場から仕入れているとすぐに腐るので専門店で、それも朝一番しか美味しい物は食べられないというのである。観光案内所で聞いた店は公園路にある阿憨鹹粥。他は24時間営業だったりして、台南人的にNGだという事だった。「絶対に朝10時までに行って下さい。そうじゃないと美味しくないです。」。9:45に店に着いた。簡素な倉庫みたいな場所に、厨房機器を並べている。
虱目魚肚粥80元(約270円)、油條10元(約35円)アシが早いと聞いていたが、果たして予想通り青魚特有のキツい脂が乗っている。鯖とも違う、鰯に近い脂の味である。小骨もかなり多く、意外に食べにくい。特に粥だと小骨が埋没していくので食べにくいのである。日本の様な先が細い箸が欲しい。粥自体は香港の様な濃厚な物ではなく、あっさりしていて油條と魚の脂で丁度良い感じである。店内は次々とバイクで粥を食べに来る客が入れ替わる。なかなか美味しい朝食だった。でも、これは本当に台南で朝食べないと良さがわからないだろう。昼過ぎだとかなり臭い筈だ。
・虱目魚肚粥80元
・油條10元