実直な料理の数々はその量もあってうれしくなります。日本にいながらにしてパリのビストロ以上の味をパリのビストロ以下の価格でいただける。ですから、予約が取れないのもうなずける。稀有な店です。高田馬場の大きな通りを一歩脇にそれた小路にすぐあります。赤いひさしに白い文字の店名。目の前の黒板に営業時間が書いてあるだけとシンプル。飾らないお店と外観から想像できます。中に入ればこの手の店にしては非常に綺麗。シンプルな壁ですが、飾られているミシュランのポスターやロートレックにビストロらしさが垣間見えます。店内は狭い、まさに定食屋らしい感じ。16席ほどあるのでしょうが、予約で全部埋まっているというところが素晴らしい。店の中央には冷蔵庫のようなワインカーヴがありますね。ちなみにトイレですが、こういう店ではあまり見たくないようなところが多いのに、店内同様きっちりきれい。壁に飾られている棚にはトイレットペーパーとミシュランなどの小物が飾られています。薄給のために入れ替わりが激しいと聞きますが、お姉さんもてきぱきと有能で、気持ちの良い接客です。
田舎風お肉のパテ |
とり白レバーのムース |
豚の舌のヴィネグレットソース和え |
北海道産カスベのムニエル ノワゼットバターソース(+315円) |
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極厚のお肉のパテ。周辺には脂がまかれています。細かな野菜やレバーなども入り、ビストロの料理を実感できる。これが自家製の良さでしょうか。付け合せは小振りのピクルス、小さな黒オリーブのような豆(?)、皮をむいてきちんと食べやすくしたトマト、たっぷりの葉もののサラダです。付け合せからサラダはどれも酸味がきつくない程度につけられていて食欲を増します。 |
フォアグラのムースのように濃厚な味わいの鳥の白レバーのムース。まるでジェラートのような卵形のかたまりが二つ。パセリと黒胡椒がかけられています。これにムースをつけるための硬い焼いたバゲットとこれまた葉もののサラダがたっぷり。プチトマトと乾燥させた無花果も添えられていました。濃厚なムースは良いが、量はここまで入らないかも…。 |
スライスしたジャガイモの上に煮たスライス牛タンのような豚の舌がたっぷり。その上からはとろみあるヴィネグレットソースがかけられ、先のピクルスのスライスもたっぷりのっています。これはちょっと味見をした程度ですが、酸味の苦手な自分でも美味しく食べられる出来具合。 |
この日一番の料理。カスベというのはエイのことらしいです。巨大な魚のひれの付け根みたいに見えました。バターと香草のソースがたっぷりで香りがまず素晴らしい。表面は香ばしく焼かれています。付け根の骨のところから身を剥いていくと白身の下に骨がまるで長い櫛のようにありました。これは軟骨でほとんどすべて食べられるところが驚き。コリコリして美味しい…。 |
ホロホロ鳥のパルマンティエ・もも肉のサラダ添え (ホロホロ鳥と牛肉とマッシュポテトとチーズのかさね焼き) |
ブーダンノワール(豚の血のソーセージ・マッシュポテトとサラダ添え) |
イル フロタット ILE FLOTTANTE 525円 |
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グラタン皿の底にスライスしたジャガイモを敷き、ホロホロ鳥と牛肉の挽肉にソースをかけてしいて、マッシュポテトをたっぷりかける。最後にチーズをのせて小麦をふり、オーブンで焼いてからパセリを振る。重ね焼きという表現がぴったりくる一種のグラタン。表面のカラリとしたチーズ、その下のまったりしたジャガイモのピュレ、さらに飴色の炒めた玉葱に味わい深い挽肉は素晴らしいハーモニー。格別な味かというとそうでもないが、心温かくなるようなしみじみしたフランス家庭料理です。 |
付け合せはホロホロ鳥のコンフィがついてきています。もちろん、たっぷりのサラダも(笑)。 |
たっぷりのマッシュポテトの上に驚くほど巨大な2本のソーセージ。真っ黒なそれの中には豚の血が詰まっています。ふんわりしている中身は最初口に入れると柔らかくあっさり目だが、遅れて舌にドッとくる力強さも併せ持つ。サラダはここでもたっぷり。 |
白いカップにはカスタードソース。その上に浮かぶ大きなメレンゲ。その上にはキャラメルのソースと香ばしいアーモンドスライス。すべてが口の中で美味しいと叫ばせてくれるデザート。 |
クレーム ブリュレ CRÈME BRULEE 525円 |
本日のタルト TARTE DU JOUR 525円 |
カフェオレ 420円 |
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平たい皿に作られたクレームブリュレで焦げ目のついた飴の下に優しい甘さのカスタードクリーム。ベーシックで美味しい。 |
本日はタルトタタン。リンゴの火の入り方は絶妙で苦手な煮た果物も別物のように美味しい。 |
カフェオレ。コーヒー豆の苦味と旨味がミルクの下でもきちんと感じられるカプチーノでした。スプーンにのせられた小さな角砂糖が可愛らしい。 |