ネタを熟成させることにこだわる店がある。そのマグロは手で引きちぎれるほどに柔らかい。包丁の入れ方など、独特の考えを感じる高級寿司店です。六本木ヒルズから西麻布へと行く途中左の寂しい通りにあります。ビルの地下1階になりますが、1階から入り口があり、白い暖簾に縦の木の格子の壁が美しい。暖簾をくぐり下を見ると階段下のエントランスは白い玉砂利に敷石の通路。なんとも贅沢です。樹齢130年の吉野檜を用いた白いカウンターは緩やかな台形を描くように配置。ゆったりとしていながら端まで目が届き、中央には大将が陣取ります。その背の壁には美しい扉があり、魚を貯蔵する冷蔵庫なのだそうです。後ろには半個室が3つ。入り口脇には水琴窟。握りの最初は名刺代わりと大将が言う本マグロの握り。たしかに、この店を表すのに、これ以上のものはないかも。大間の18キロの本鮪の大トロ。これを10日間熟成したものです。53の隠し包丁が入れてあるそうで、すべての筋を断ち切ってあるのだと。とろける口当たりでやはり包丁を入れているのがよくわかります。