クチトンネルは、ホーチミンから西北70キロほどの位置にある、クチの街から約30kロ離れたところにある。ベトナム戦争時代の民族解放戦線、つまりベトコンの有力な拠点が置かれ、鉄の三角地帯と呼ばれた難攻不落の場所だったのだ。アメリカはこのクチトンネルの存在を知ってはいたが、最後まで攻略することができず、ついにベトナムは勝利を手にする。そんなカ国な戦いとは裏腹に、現在はのどかな田園地帯が広がっている。
ツアーでクチトンネルに向かう。郊外へ抜けると緑深く牧歌的景色が美しい。ま、戦争とはいえこの暑いところでトンネル掘ってすごいものだ。中に入るとドバーっと汗が噴き出した。トンネルより地中に埋めておくしかけの数々のほうが興味深かった。穴掘って竹やり立てておくような仕様。穴落ちて串刺しとはむごい。息絶えるまで時間かかりそうだ。どこからともなく銃声が聞こえてきていたので雰囲気だしてんだろうな、と思ったら有料で射撃できるそうだ。ご丁寧に弾もいくつかの種類から選べる。
クチトンネル生活の主食、キャッサバ芋を少しいただきいた。
現在クチトンネルは整備され、観光用に広げられた一部を見学できる。クチトンネル内には会議室や指令室のほか台所、寝室、病院まであり、生活をしていた様子がうかがえる。調理をしても、煙が分散して外に出るようになっており、敵に見つかりにくいよう工夫されていたりし、ベトナム民衆が一丸となって自国を取り戻すべく過酷な生活に耐えた様子が見られる。