「暗闇レストラン」は、五感の中でもっとも重要ともいえる視覚をうばったレストランなのだ。暗闇を甘く見てはいけない。薄暗いのかと思ったら漆黒の闇で、目を開けても閉じても景色がかわらない。まずは明るいところで、メニューをチョイス。肉、魚又はベジタリアンのコースの他に、サプライズメニューがある。どんなものが出てくるか、まったくわからないほうが楽しみ倍増。暗闇に入っていく時は、携帯電話、デジタル時計のように光るものは持込禁止。いよいよ暗闇へ、ウェイターを先頭に肩につかまりながら行く。どこをどう歩いているのか、まったくわからない。ココが席ですよー、と自分たちの席に案内されるが、隣のテーブルとの間隔もわからないし、自分たちのテーブルの幅がどこまであるのかすらわからない。手探りでテーブルセッティングを確認。意外に声より遠かったりする。しばらくすると、オーダーしてた飲み物がやってくる。テーブルに置かれるとわからないから手渡し。食事が済んだら汽車ポッポしながら再び明るいところに戻ってお会計とメニューの答え合せ。いかに普段の食事が目に頼っているかわかる。それに、視覚がなくなると他の感覚がすごく鋭敏になる。視覚障害者ってこんなに大変なんだということもわかる。一度はこういう経験して食べてみるのは面白いかも。