ハワイ語で、逃避の丘という意味のオアフ島の最大ヘイアウ。このヘイアウは、ハワイの四大神が集まり、会議をする場所とも言われている。戦争の神様クーを祭っており、人身御供(ルアキニタイプ)のヘイアウでもあった。
今は殺風景な感じだが、昔は長さ50メートル、幅で175メートルもの石の台座に、カフナが神託を受けるオラクルタワーやティキ像などが建ち、戦いの勝利を祈願する儀式が行われていたとされていたそう。生贄は通常、捕虜やカプ(タブー)を破った犯罪人だった。しかし、それら無数のハワイアンに混じって、1792年バンクーバー船長率いるイギリス船ダイダロス号がワイメア沖に停泊した際、水を求めて上陸した3人の船員が、ハワイアンに捕まり、生け贄として埋められた事は有名なお話。その歴史的価値から、1965年に国定史跡に指定されたが、それ以前も今も現役の聖地として、ハワイアンの崇拝対象となっている。
この地域から物を持ち出すと最高1万ドルの罰金、ここはハワイアンの聖地で、敬意を示し岩を動かしたり何かで包んだりしないこと、といった注意書きがいくつも設置されている。ちなみに、ヘイアウに設けられた説明パネルによると、このヘイアウでは18世紀、大きなかがり火が燃やされ、海峡を挟んで対峙するカウアイ島の酋長とのコミュニケーションに使われていたそう。カウアイ島との交信においては、カウアイ島との連絡の手段に使われたのはかがり火ではなく、テレパシーだったという説もある。このヘイアウは、元々関係が悪化していたカウアイ島との交渉のために建てられたとか。このヘイアウが建てられる前、まずは丘の真下のワイメアビーチに、小さなヘイアウを建てたものの、カウアイ島から返事は戻って来なかったため、ワイメア湾を望む高台に壮大なこのヘイアウを建設し、うまく交信できたとか。
ここ、ヘイアウから望むワイメアビーチ景色はとても美しい。ちなみに、車上荒らしにもあいやすいとの事なので、何はともあれ、このヘイアウに行く時は、いろんな意味で気を引き締める事が大切。