サン・マルコ寺院の南側、大運河に面して建つ「ドゥカーレ宮殿」。ヴェネツィア共和国総督の政庁として9世紀に建てられた建造物で、その富と権力を象徴している。居城のほかに、国会、裁判、行政を司る場所で牢獄も置かれた。何度か火災に遭っており、現存するのは15世紀のものだという。
中庭には1500年代のブロンズ製の井戸があり、内部の2階は回廊で3階4階は総督の公邸となっている。2階の大評議の間には世界最大と言われるティントレットの油絵「天国」、3階地図の間にはティツィアーノの「増水いた河を渡る聖クリストフォーロ」のフレスコ画、そして4階、4つの扉の間の同じくティツィアーノ作「祈りを捧げるグリマーニ総督」など必見の作品が多数飾られている。