忠清南道のほぼ真ん中に位置する公州(コンジュ)市は、ソウルから約140キロ離れた市です。ソウルの町並みとは一風変わり、自然と歴史が混ざり合う素敵な都市です。海よりも、川と山、渓谷等に囲まれ、特に鶏竜(けいりゅう)山という、標高845メートルで大田広域市にかけて位置する忠清南道でも有名な山があります。公州市に一番近い山として、昔から名山とされ、公州市のシンボルマークにもなっています。また、自然が多い、公州市は季節によって花や緑、また自然動物たちの姿を楽しむことができます。公州市は、長い歴史を持つ都市で、475年百済の王都が今の公州に移ってきた頃から始まります。その当時、公州ではなく熊津(ウンヂ)という地名に、次の扶余(プヨ)に移されるまでの63年間も百済の都が置かれ栄えた都市です。その後、高麗時代に公州と改名され、今もその百済文化と歴史がそのまま残っています。その中でも、百済時代の古城、公山城(コンサンソン)は現在の公州市の中にポツンとあり、そこだけタイムスリップしたかのように目立ちます。また、夜になると照明が点けられ、違った顔の公山城を見る事ができます。その他にも、百済時代を知る事ができる歴史博物館や日本との関係をもつ百済25代目武寧王の王陵や、佐賀の有田焼の原点とされる陶芸村などの見所がたくさんあります。主に、百済時代と日本との関係性があるものばかりなので、韓国内で私たちにとって最も近い都市かもしれません。そして、公州と言えば、韓国伝統歌劇パンソリの大家であるパク・ドンヂン先生の出生地でもあります。今は亡き先生のお弟子さん達がパンソリの伝統を受け継ぐために、パンソリ伝授館を設立しそこで教育を受けられる場所もあります。また、見所だけでなく特産物もたくさんあります。公州の特産物と言えば全て無農薬のトマト・梨・りんご・キノコ・スイカ・イチゴ・キュウリ等が美味しいいただけます。季節ごとに祭りもありその時期毎に違う公州が見られます。特に、毎年10月に開催される百済文化祭という祭りは、韓国でも3大文化際の一つでもあります。ソウルからも、意外に近く高速バスや、列車で行っても約2時間しかかかりません。最近では、高速道路が便利になり公州市からソウルは勿論、他の忠清南道も行きやすくなりました。