京都の東の小高い山・吉田山にある、京都大学の裏手、豊かな自然が残っている地区にある神社です。一帯は吉田山公園として整備されていて、ピクニックスポットとしても楽しめます。木組みの階段で頂上まで登れます。頂上は約100メートル。けっこうしんどいです。一服できる休憩所もちゃんとあります。向かいには、「大文字」が見える開けた場所もあります。そんな、吉田山のふもとにあるのが、吉田神社。
15世紀に吉田兼倶が創始した吉田神道(卜部神道・唯一神道)の拠点として栄えました。吉田神道は、神道をベースに、密教・儒教・道教・陰陽道などのありとあらゆる思想がミックスされた教えです。兼倶のたてた斎場所大元宮(さいじょうしょだいげんぐう)には、全国の神々が祀られているため、ここを参拝すれば、全国の神社を参拝したのと同じ効果が得られるそうです。神社の神職は代々吉田家によって受け継がれ、明治時代まで全国の神職の任命権を握っていたため、大いに栄えました。幽斎桜と呼ばれる桜もあり、細川幽斎にゆかりのある桜です。戦国武将で、学者としても有名な細川藤孝(幽斎)はこの吉田家と血縁関係があり、丹後の城主となったあとも、この吉田山の桜を持ち帰って愛でたそうです。この桜は、その苗木を移植したもので、いわば吉田山に里帰りしてきたもの。本殿は、万城目学の『鴨川ホルモー』で「代がわりの儀」がおこなわれた場所です。
・拝観料:無料