ヘンリーズ・ギャレーは大抵のガイドブックには載っているマカオでは老舗に分類されるレストラン。元船乗りだったというオーナーが世界中を廻って味わった料理がヒントになっているという。そのため、『○○料理』という所謂カテゴリーに分類されない無国籍(多国籍)料理、或いは融合料理とでも呼べそうなメニューが並んでいる。あえて言えばマカオ料理と言うのかも知れないが、大雑把に言えばユーラシア料理と言えなくもない。基本は海鮮と香辛料で素材を調理する。
大きな店ではないが1976年の開店でありガイドブックにも取り上げられているくらいだから味はお墨付きなのだが、この店の魅力はその立地条件にもある。店は西湾湖に面しており、香港の大牌檔のように店の前に設えたテーブルで西湾湖を挟んで対岸のマカオタワーを始めとする風景を望んでの食事ができる(さすがに冬は半袖だと寒い)。しかも交通量が少なく落ち着けるし車の排ガス臭もない。夜はライトアップされたマカオタワーやその足元を走る道路の街灯が西湾湖の湖面に反射してとても幻想的である。また、店内はほの暗く夜景と雰囲気を楽しみながら料理を味わえる。ワインを注文すると若いウエイトレスがボトルを持ってきて慣れた手つきで立った姿勢のままで栓を抜いてくれる。プロの仕事である。
予算は2人でワイン1本を含めて500元(¥6,500)程度と敷居は決して高くない。できれば彼・彼女と一緒に訪れたい店ではあるが、気取らず普段着のまま一人で行っても充分満足できる筈である。電話予約可能という情報あり。一品当たりの量はそこそこあるので、調子に乗ってあれこれ注文するとえらい事になる。
余談だが、この並びにあるカレー屋も負けず劣らず評判がいい。
路線番号9番のバスで行けるが、ハッキリ言ってバスで行くのは無粋。できればタクシーで乗り付けたいが、帰る道すがら余韻を楽しみたければ徒歩がお勧め。新馬道と南湾大馬道の交差点から徒歩約20分。