■サイパンの伝統文化
*芸術
マーマー | ゲストをもてなす場合にあげる、花や葉で作った頭飾り。自分用に作って普段使いにする人もいる。 |
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*チャモロ文化
古代チャモロ人は東南アジア方面から海を渡ってきたが、マゼランの来島とともにその姿を消していった。
戦争や疫病、カトリック教への改宗により伝統文化も大きくへんかしたが、それでも、チャモロ語や伝統習慣など現在も残されている。また、古代チャモロ族が強く愛してきた土地や海に対しての習わしまで今も残されている。
チャモロ語の他、チャモロ料理、チャモロ音楽、チャモロダンス など。
チャモロの伝統工芸
・パゴ(ワイルド・ハイビスカス)を使った縄作り
木の皮をはいで出てくる幹の中の繊維を使って丈夫なロープを作る。
三又に分かれた鹿の角と、ねじるための工具を使用。
大きい水牛をひっぱるのにも使えるほどの、丈夫な縄が出来上がる。
・椰子の葉を使った小物
椰子の葉は柔らかく細工をしやすいため、帽子や敷物などの日常品がよく作られる。
・パンダナスの葉を加工した作品
パンダナスの葉はとても丈夫であるが、加工はとっても難しいといわれている。
葉っぱを洗い、ボイルして柔らかくしてからシイという道具を使って加工していく。
パンダナスで作ったマットや敷物は、何十年ももつほど耐久性に優れている。何度も洗うことが可能で、衛生的。
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チャモロの音楽
紀元前マリアナ諸島に暮らし始めたチャモロ人にとって、音楽は生活に密着した、重要な役割を果たすものだったと言われている。
古代チャモロ人と音楽との関わりについての記録は残っていない。しかし、16世紀以降のスペイン統治時代の記録には「カンタン・チャモリータ」と呼ばれる歌遊びについての記載が残されている。
・カンタン・チャモリータ
チャモロオリジナルの歌遊び。詩のような短い文章にリズムをつけて相手に呼びかけ、呼びかけられた方も短い文章とリズムで応えるというもの。恋愛や結婚に 関する男女の気持ちを確かめ合う時、日常生活の何気ない会話の代わりに、また人々の間のさまざまな問題や誤解を和やかに解決する場面などでも歌われる。
チャモロ人にとって大切なコミュニーケションの手段であったといわれる。
時には2つのチームに分かれ互いをからかうような内容で歌い合い、先に歌で応えられなくなったチー ムが負けるというゲームでもあった。
共通するのは決して相手を傷つけたり貶めるものではないこと。これが人々に親しまれてきた理由だ。
現在は日常の中で聞くことはなくなってしまった。
・バレンバトゥーザン
バレントゥーザンは、グアムに150年以上も受け継がれている一弦楽器である。
土台は2メートル前後の木。それの皮を剥ぎ、綺麗に細く削り上げ、ワイヤーを一本はる。土台に空洞のひょうたんをつけて、スティックで弦をひくと、ひょうたんの中で反響する仕組みとなっている。
ルーツはブラジルのベリンバウだといわれているこの楽器も、昔は結婚式など特別な日には演奏されていたが、
今ではチャモロの歴史や文化を敬うチャモロ月間やカルチュアルフェアーに登場するだけになってしまった。
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チャモロダンス
チャモロダンスはフラのステップとほぼ同じ「イプヘケ」を使うなど、フラダンスと多くの共通点がある。
チャモロダンスで身に着ける衣装は、女性はココナッツでできた胸あてと椰子の葉でできた腰みのやパレオなど。
パレオのことはチャモロ語で「ラヴァラヴァー」という。
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衣装
身にチャモロ民族の服装は、他の国から来る人々に影響を受けているため、歴史的にチャモロの民族衣装を定義づけるものは記録されていない。