上海の「白雲観」。上海市内の道教寺院の中心寺院となっている。現在の位置は文廟の真北600m位の所にあるが、元々は文廟の西側500m位の西蔵南路を越えた所にあった。2005年に区画整理で現在地に移築された。
しかし、こちらもまた周辺部は再開発の真っ最中。遠くに東方明珠が見える。この、前の道をまっすぐ東に向かうと「豫園」。直接は行けない。途中で迂回する形になる。中に入ると狭い境内を取り囲む形に建物が配置され、こちらが正面。これは各自の干支の守護神の前に祈願用の赤い布きれを結びつけている。日本なら、さしずめ絵馬を結びつけるとこ。二階には何やら興味を引く字が見える。右手の入り口側の二階には「財神殿」がある。中にはいかめしい顔の関羽の像があった。どうして武将の関羽が財神なのかと言うと、「信義にあつい」ので商売の神様になり、さらには「財神」にまでなったとのこと。ふと、屋根を見上げるとシャチや象、更には瓢箪など色々なものが置かれていた。「娘娘殿」にせよ、このような屋根にせよ、道教寺院には仏教寺院には無い人間臭さが感じられる。すぐ隣には新旧の上海を対比する形で大境閣(旧上海城の城壁上の望楼)がある。