ホイアンの町には至る所にテーラーがある。レロイ通りにも支店がある、タンロイもそのひとつ。教えてもらった通りに行くと、その通りはホイアンではむしろ寂れた感じのところで、本当にこんな所にちゃんとしたテーラーがあるの?と半信半疑だったけれど、いきなり広い敷地に大きな店構え。ここは、養蚕から製糸、機織り、縫製まで、全てをタンロイ社内で行っているらしく、はじめて訪れた客は簡単な工場見学から始まる。私達を見ると、日本語を話すスタッフがすぐに寄ってきた。常にツアー客の訪問が絶えず、店員は英語、日本語、フランス語と色々喋る。見学スペースを抜けてタンロイ店内に入ると、アオザイ姿の女性店員がうじゃうじゃいる。扱っている素材はほとんどシルク。気に入ったデザインがちょうどディスプレイされていたが、値段を見たら120ドルは高い。じゃあいらないと言うと、110ドルは?と値下げ。それでも高い。100ドルで暫く膠着。それから生地を選ぶ。シフォンの生地はざっと数十種類。その中から、淡いメロンとオレンジのシャーベットみたいな色の生地をセレクト。次は裏地。いくつか重ねてみて、柄がきれいに生えるオレンジとピンクの中間色に。それから採寸。とくに採寸の部屋がある訳でもなく、その辺で上着を脱がされあちこちメジャーで計って行く。それから写真撮影。右を向け、とか後ろ向け、とか言われて、デジカメで全身を撮影。じゃあ明日のお昼頃に仮縫いに来てね、と言われて店を出る。翌日行って、フィッティング。丈がやや長く、脇が少し大きかったので、サイズ調整をした。約1時間後に出来上がった。