河回別神グッ仮面舞は、河回村の総合案内所の向かいの公演会場で行われます。
1月・2月は毎週土日午後2時から行われ、3月~12月の間は毎週水・金・土・日の午後2時から行われています。全ての公演は無料で観覧できます。
公演会場の入り口には、日本語のパンフレットが置いてあり、2,000ウォンで購入できます。
パンフレットで内容を学習した後、劇を観賞すると内容がよく分かってさらに楽しめます。
舞童の場
河回別神グッ仮面舞のはじまりとなる場面で、長鼓、鉦(かね)、太鼓、銅鑼を鳴らしてプンムル(農楽)を奏でる音楽隊とともに、人の肩に乗ったカクシ(閣氏)が舞台に出てきます。
※カクシは村の守り神の代役と信じられ、神ゆえに土を踏んではいけないという信仰から肩に乗せられて登場します。
チュジ(想像の動物)の場
チュジの場は、邪悪なものを追いはらい、その場を清める意味を持って行われます。
雄と雌のチュジが喧嘩をしますが、雌の勝利で終わります。雌が勝利するのは豊年・豊作を祈る意味が込められているそうです。
白丁の場
白丁が斧と刀を入れた袋をかついで登場します。後に現れた牛を斧で倒して、牛のふぐり(睾丸)を取り出し、観衆に猥雑なユーモアを混ぜながら売りつけようとします。仮面舞の中でも一番盛り上がる場面です。
老婆の場
苦労をして生きてきた老婆が自分の人生を嘆きながら機織り歌を歌います。
寂しい歌声と、老婆の苦労を現すz身の動きが、庶民のありのままの姿を代弁しており、共感の出来るシーンです。
※ここで、観客に向けて老婆の物乞いがあります。カクシも鉦(かね)を手に観客の元を周ります。
公演の観覧料が無料のため、このような方法で文化活動資金を集めています。
破戒僧の場
芸妓のブネが小用を済ませると、それを通りすがりの僧が見て、欲情をこらえきれず、一緒に踊り遊ぼうと誘います。本能のままに行動する、当時の僧侶たちの堕落ぶりを現していると言います。
両班とソンビ(学者)の場
両班とソンビがブネを取り合うために学識と身分の高さを競い合う内容で、問答を通してソンビの無知が露呈します。当時の官吏階級に対する辛辣な風刺が込められた内容になっています。
劇の最後は、俳優たちが仮面を脱いで挨拶、踊りながら退場します。
河回別神グッ仮面舞は、仮面に注目して観てみましょう!
登場人物ごとに仮面のつくりが違うのは勿論、角度によっていろいろな感情表現を見ることが出来ます。
また、「切りあご」の部分がセリフに合わせてパクパク動くのも本当に喋っているかのようにリアルです。踊りや動作も登場人物によってそれぞれ違い、役柄をよく表しています。
伝統劇というと堅苦しい印象がありますが、河回別神グッ仮面劇は猥雑なジョークが多く笑える場面が多いので、老若男女誰でも楽しめる内容になっています。
河回村に行かれるなら、河回村の名物、河回別神グッ仮面舞を観に行きましょう!